本格的な自作はそんなにやらないのですが、プリアンプやその他周辺機器の自作、既製品の性能測定、BCLラジオやアマチュア無線機のレストアや再調整のときに使うので、主に中古ですが集めていたら結構な種類になってしまいました。100%活用できてはいないのですが、自分には縁が無いと思っていたような測定器まで集まってしまいました。
もっとも最近のプロ用測定器はパソコンとの垣根も低くなり、パソコンに取り付けたり、 測定器自身がOSにWindowsを載せているのもごく普通になりました。 ですので、以下のような測定器も徐々に出回る数は減ってくるのかと思っています。
測定器を使う目的は、あくまでもで定量的データを取得するためのものです。ですので私の持っているような、定期校正をしていないものは どうしても相対的な測定・比較するところが限界になってしまいます。…そこがアマチュアの厳しい(金銭的に)ところですね。
全てではないですが手元にある測定器の写真を撮っていたらこのページを作ってしまいました。ただいずれも古い測定器で最新のものには見た目も性能もとてもかないません。道具という見方をすると古くても使い慣れてくると愛着がわき、だんだん手放せなくなってしまうのも測定器の特長のような気がします。
新品の値段には触れませんが、新品では100万200万はするようなものもあります。最近は良質な中古測定器をネットオークションやweb上で購入が可能になり、これからも増えてしまいそうです。ちなみにテスターと43型パワーメータ以外は全て中古で購入しました。
中学生のときに買ったものです。20年以上経ちますが保存状態が良く(使ってなかった)、結構綺麗です。SANWAのYX390TRというタイプのもで、ごく普通のテスターです。抵抗値、直流電圧、直流電流、交流電圧の測定ができます。最近は安価なデジタルテスターがほとんどのようですがアナログメータの良さはなんといっても目で針の動きを追えることでしょう。勢い良く針が振れるのとジワーっと振れるのでは感覚的に違いがすぐわかります。アナログテスターは手放せません。
IWATSUのTS-8500という4chアナログストレージオシロです。ストレージオシロは普通のオシロと違い、観測された波形を画面上に残しておくことができます。昔からのブラウン管(CRT)式ではなく、画面はTFTですので、いわゆる「CRTの焼け」ということはないので、つけっぱなしでもOKです。また周波数は500MHz帯域ですので、100MHzくらいまでの信号はほとんど誤差なく真値が測定できます。
真値の測定(振幅)が出来るのは、オシロに示された周波数の1/5くらいまでと言われています。逆にオシロに示された周波数はその周波数では真値より3dB下がった値、つまり半分の振幅になっているということです。
オシロスコープは横が時間軸、縦が電圧軸です。そこに測定箇所の電圧波形を表示するものですので、非常に用途が広くテスターの次に欲しくなる測定器だと思います。すでにデジタルオシロが世の中には浸透していますが、分解能(サンプリングの細かさ)が優れていないと広帯域の測定が困難で、また連続信号を一定の時間間隔でサンプリングするため、その時間間隔と測定しようとする信号の周波数がある関係になると測定結果にリップルがあるように見えてしまうなどのエイリアシングという問題もでてきますので、機種選定は少し難しい部分もあるようです。
オシロスコープを使うにあたり大切なのは、オシロスコープ本体だけでなく、プローブの性能が非常に重要です。周波数帯域や電圧変換比(10:1とか100:1など)が正確なものを使う必要があります。直流ではほとんど問題なくても、交流、とくに高周波をプローブで測定するには、プローブの周波数特性のリップルが少ない(同じ信号を見ているのに、画面上で位相がずれて表示されることもあります)ことが大切ですので、 安価なものより、しっかりとしたメーカー純正のものをお勧めします。また、オシロスコープのほとんどは基準パルスが出ています。 これをプローブで測定して、オーバーシュートや波形の立ち上がりの鈍りが無いように、プローブのトリマーを調整してから使うことも大事です。
アドバンテストのTR5822というmodelを使っています。周波数範囲は150MHzくらいまでで、感度が少し低いので、結構高いレベルの信号を入れないとカウントしてくれません。
周波数カウンタの基本原理は1秒とか0.1秒とか(ゲートタイム)の間に、何発のパルスが入るかカウンターで数えるというしくみですので、比較的自作も容易なようです。ただ、そのゲートタイムを決める部分の正確さが全ての鍵をにぎっているのでオプションでは超高安定の発振器があるものもあります。また周波数カウンターの背面に外部から基準発振信号が入力できるコネクタがついているタイプもあります。
デジタルテスターといったところでしょうか。電圧電流抵抗値が測定できます。このデジタルマルチメータは低周波だけですが周波数も計測してくれます。
アナログの交流電圧計です。テスターの交流電圧モードとの違いは非常に測定範囲が広く、小さい電圧から測定できるところでしょうか。低周波用ですが1MHzくらいまでの交流には十分反応してくれるようです。菊水の182Eという古いタイプを使っていますが十分実用になります。トランシーバーの低周波出力を測定できますので、トランシーバーのアンテナコネクタににSSGの信号やノイズソースを入れればj感度やNFの測定もできます。またトランシーバーの入力に高周波の2信号を入れれば、トランシーバの受信の2信号特性も測定できます。
バード社のパワーメータを使ってます。メーター下のエレメントを入れ替えると数MHz~GHzまで、パワーも数Wかそれ以下から10kWまで測定できます。ただ、そのために必要なエレメントも多数持っていないと測定できないのが難点です。メーターのフルスケールの±5%の誤差で、エレメントを周波数範囲ごとに変えることが必要ですが、やはりアマチュア無線用よりは精度が上です。
メータ右下にツマミがあるのが4410というパワーメータです。これはパワーレンジをツマミで切替られるぶん、エレメントは数種類あれば足ります。1つのエレメントで広いパワー範囲が測定できますが、エレメントは43型には使えません。またエレメントが43型の数倍はします。
パワーメータはRIGにいつもつないであり、パワーの確認に使っています。ちなみにエレメントを180度回転させて測定すると反射波の測定ができます。下の写真左は4431で、43型にモニター出力がついたものです。(右側にBNCコネクタがついていて、そこからRFを取り出せます)スペアナなどでモニタするのに便利です。下写真右は4391でデジタル表示です。2個のエレメントを入れるとVSWRの表示もします。またPEP表示や変調度の表示もできる優れものです。4431も4391も43型のエレメントがそのまま使えます。
菊水のKSG4300とKSG4500TSを使っています。正面パネルは似てますが4300は10kHzから280MHzまで、4500は100kHzから1040MHzまで出力できます。いずれもAM、FM変調がかけられ、また出力レベルも可変できます。ラジオやトランシーバーの感度の調整には欠かせない発振器です。またトランシーバーの受信の2信号特性には2台必要で、この2台の出力を電力合成器で合成してトランシーバに入力します。
またクリスタルコンバータなどを作ったときには局部発振器としても一時的に利用できるのも便利です。
自作のリニアアンプなどのドライブ電力を定量的に得るのに適しています。1~300MHzまで46dBのゲインを持ち、最大25W出力できるアメリカのKALMUS製320FC-CEというmodelです。
Aクラス動作ですので、2信号特性は優れていますので、リニアアンプのドライブとして使うとリニアアンプの2信号特性などがトランシーバーを使わずに測定できます。発振器を内蔵しているわけではないのでSSGの出力をこのアンプに入力して、必要な周波数のパワーを得ます。アメリカではENI社、国産ではR&K社など、この手のアンプを作っているところは多いようです。内蔵している電源がスイッチング電源ですので、見た目以上に軽量です。(片手で持てます)
かつては憧れでしたが中古が安く手に入る時代になりました。現在はアンリツのMS2601Bという9kHzから2.2GHzまで測定できるスペアナを使っています。操作部分が比較的シンプルで使い易いmodelです。ちなみにトランシーバーで言うところの帯域フィルタ…スペアナなどではRBWといいますがMS2601Bは30Hzまで絞れます。
オシロスコープの横軸が時間であるのに対し、スペアナは周波数軸です。アイコムのIC-756というトランシーバーをはじめとして、最近では多くのトランシーバーにスペアナ機能が付いているので比較的なじみ易い測定器ではないでしょうか。
用途は高調波の測定など非常に多く、私は6mのワッチにも使っています。そのほかにはリニアアンプの2信号特性、高調波の具合、SSGと組み合わせて受信の2信号特性やフィードスルー測定などに使っています。
スペアナには以前持っていましたがトラッキングジェネレータ(TG)内蔵というのがあります。これはスペアナの計測画面に同期してその周波数を発振するというものです。何に使えるかと言うと、フィルターの通過(ゲイン)特性(クリスタルフィルタやローパスフィルタ、プリアンプの周波数特性)、アンテナやプリアンプなどのリターンロスなどの測定に使えます。トラッキングジェネレータ(TG)がついているとスペアナの利用度が何倍にもなるといわれています。
少し馴染みが薄い測定器かもしれませんが、アンテナアナライザやノイズブリッジ、LCRメータなどの上級機だと考えても良いかもしれません。画面にあるように測定したいもののインピーダンスがスミスチャート上に表示できます。またTG付のスペアナ同様通過(ゲイン)特性も測定できます。それ以外にも位相特性やVSWRの直読も可能です。
上の写真のとおりアドバンテストのR3751Eというものを使っています。結構大きな測定器です。10Hzから300MHzまでですが、6mまでしかやっていないので十分です。ちなみにインピーダンスの測定にはこの機種では外付けでSWRブリッジが必要です。
主にネットワークアナライザと組み合わせて使っています。奥の金色の口紅みたいなのが50Ωの基準用抵抗、その左がオープン・ショートの基準です。数GHzまで利用できる少し高級なセットです。
自作も可能ですが、高い減衰量(60dB以上)を得ようとすると、ストレーキャパシタンスが無視できなくなり、結構シールドに凝る必要がでてきますが、たまにネットオークションを見ていると安価に高級品が手にはいります。下のものはアメリカのJFWというところのアッテネータです。左のツマミが10の位、右のツマミが1の位で両方最大減衰量にすると80dBまで減衰できます。ちょっとツマミが重いかなというところでしょうか。
プリアンプなどのLNAのNFやゲインを測定できます。スポット周波数だけでなく、周波数スイープさせますので、どこにNFの最低点があるかとか、ゲインの最高点があるかなどが測定できます。8970BというHP(現アジレントテクノロジー)を使っています。オシロスコープにつなぐと、周波数対NFあるいはゲインの2次元の特性図も見ることができます。
単独では使えませんが、ENR値がわかっているノイズソースを使い、ENR値を事前に入力しておき、ノイズソースをDUT(Device Under the Test)の入力につなぎ、DUT出力をノイズフィギュアメータの入力につなぐだけです。NF測定ではノイズの揺らぎが多いですが、スムージング(平均化)もでき、比較的安定した状態でNF値を測定できます。高価ですが便利な測定器です。但しトランシーバーや受信機のオーバーオール(アンテナ入力からスピーカー出力まで)のNF測定には使えません。
NFを測定するのに使うノイズソースです。ノイズなどという一見厄介なものをわざわざ作るのは、受信機などのNFを正確に測定するために正確なノイズレベルが必要だからです。アジレント製の346Bというタイプを使っています。ENRは15dBです。下の写真のように周波数ごとに正確なENR値が書いてあります。使い方は簡単で、BNCコネクタに+28Vをかけるだけでノイズがでます。これを受信機の入力に入れて、出力(オーディオ)を測定して、その28VをOFF(ノイズを止める)して再び出力を測定し、前述のENR値を含めて計算するとNFが算出できます。プリアンプなどの場合は出力はノイズフィギュアメーターやスペアナなどで計測します。計算方法は同じです。
普通の直流電源です。電圧は0~18Vと0~35Vの2台を持っています。取れる電流が少ないので小さい回路の実験用ですが大変重宝します。CURRENTというツマミがあり、これで電流制限ができます。
小さいもの、大きいもの…いくつあっても役に立ちます。下の大きいほうは1kWのバード社製です。連続1kWですので、少し大きいですが安心してリニアの出力を測定できます。普段はリニアの4つあるアンテナコネクタの1つにつないでます。
私の場合は自作が中心ではなく測定器は常時使うと言うことも無く、またシャックも狭いので普段は押入れに入れていましたが1台ずつ持ち運びするのは苦痛で、写真のようにホームエレクタを使ってワゴンを作り、ウレタンのキャスター(木の床に傷が付きにくい)をとりつけて必要なときはワゴンごと押入れから出してきて使っています。全ての測定器がワゴンには納まらないので使う頻度の高いデジタルマルチメータとかはシャックにおいています。ただ、ネットワークアナライザは巨大で重量も結構あり、普段の置き場所には困っています。
大きさは天板が600×450(mm)、高さはキャスターを入れて730mmです。これで押入れにそのまま入ります。両サイド、後ろ側には総計24口のコンセント(ほとんどは3本足)を紐で縛りつけています。天板は傷が付かないようにダンボールを2つ折にしたものを置いて、その上で作業をしています。
これはあくまでも私個人の中古測定器の選定方法です。参考になるようでしたらどうぞ。
中古測定器といっても下記のようにいくつかのタイプに分かれます。
この中で一番安心して使えるのは3項の測定器レンタル業者がレンタルをやめて販売したものだと考えています。 なぜかと言うと一般に高価な測定器は企業では税金対策などでリースする場合が多いのですが、定期的に測定器の測定値が国の基準に合っていることの証明を得るため、校正しなければならないのです。 レンタル業者はこの校正業務も担い、またレンタルが終了するごとにメンテナンスも実施していることから、古くても状態の悪いものは少ないのです。人気のある測定器は外観こそ傷も多いかもしれませんが測定という第一の目的は十分に満たすものです。
一番危ないのは1項でしょうか。但し新しい測定器と入れ替えるための処分品なら、直前までしっかり校正して使われていたものでしょうから動作は間違いないかもしれません。ところで3項で出てくる測定器は結構高価です。するとあとは個人で色々見分けて「当り」を探すしかないわけです。私は次のポイントに気を使って中古測定器を購入しています。特にネットオークションやweb上では実物を見て触ることはほとんどないので、限られた情報からどれだけの状態の事柄が読めるかにかかっています。もちろん購入までに電話やメールなどで質問して不明点はクリアにしておくのが良いでしょう。
動作未確認の中古測定器は通称「ジャン測(ジャンクの測定器)」とも呼ばれています。ハズレをつかんでしまっても諦めも肝心です。そうならない前にあまりお金を出しすぎないことでしょう。それから測定器の古いカタログ(分厚い本になっているタイプ)はもし入手したら捨てないでとっておくと中古測定器の購入には大変役立ちます。
良く見る測定器メーカーのサイトと中古の相場や購入する販売店のリンクです。他にも測定器のメーカー、中古販売をしているところは沢山あります。ネット上で探してみると掘り出し物が見つかるかもしれません。